イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「桃華ちゃん、本当にすまない!」

 私を見るなりイーサンが土下座する。

 フランス人が土下座……?

 唖然とした。

 ひょっとして瑠海にでも教えられたのだろうか。

 私のシャーリーを返せって言いたいところだが、言って返ってくるわけじゃない。

「瑠海の部屋で打合せの時は、毎回渋い緑茶出しますから。砂糖はつけませんからね。覚悟してて下さいね」

 イーサンは瑠海と違って緑茶が苦手らしい。

 これはお局さまからの情報だ。

「……はい」

「ところで……これはイーサンが?」 

 デスクの上に置かれたお弁当、財布に折り畳み傘……。

 私が昨日シャーリーに入れておいたもの。

 あんなに汚れていたはずなのに綺麗に洗われていた。
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