イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「その必要はないよ。もう連れて帰るから」

 顔は笑顔だが、身に纏っている空気はかなりダークな感じで何か怖い。

 よくわからないけど怒ってるよね?

 私が仕事を放棄してこんなところにいるからだろうか?

「エスコートしてる女性を今まで放置しておいて、よくそんな事が言えますね。あなたは忙しいでしょうから桃華さんのお相手は僕がします。だから安心して戻って下さい」

「義務は果たしたし、もうこれ以上長居は必要ない」

 瑠海は冷ややかにそう言い放ち、いきなり私を抱き上げた。

「え?ちょっと……!」

 私が下ろしてという隙も与えず、瑠海が冷淡に木村さんに告げる。

「桃華に執着するのは止めてくれないかな?したたかなのは悪くはないが、それじゃあ桃華のお兄さんには一生敵わないよ」

 瑠海の言葉に木村さんが急に黙り込んだ。
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