イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「痛てっ!」

呻き声を上げ、瑠華はキスを止めた。

胸を上下させながら空気を何度も吸うと、彼を責め立てた。

「十分エロじじいでしょう。いい気味です!窒息死したらどう責任とってくれるんですか!」

心臓がバクバクいっている。

息が出来なかったせい?

「鼻で息すればいいんだよ」

胸を押さえる私を見て、彼は変なアドバイスをする。
「そんなレクチャーいりません。そんなにキスしたいならよそでやってください。今回、窒息しそうになったんで、危険手当てつけてもらいますよ。忘れないで下さいね」

 私は瑠海の胸にビシッと人差し指を当てた。

「ちゃっかりしてるね。でも、もうあとちょっとかな?」

 瑠海が苦笑しながらポツリと呟く。

 彼が何か手応えをつかんでいたなんて私は知らない。

 でも、いつの間にか瑠海とこういうやり取りをするのがちょっと楽しくなっていた。
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