イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「いや!私はボーゲンしか出来ないんです。遠慮し……‼」

 またもや、セーラが私を引きずっていく。

 こら、少しは最後まで人の話を聞け!

「行くわよ、桃華。スキー靴や板の心配はいらないわ。桃華のサイズのデータは私がちゃんと把握してますからね」

 サイズのデータ?

 むむむ、瑠海に私のサイズを教えた犯人はセーラか?

 ギロッと睨んでいると、ピンクのド派手なスキーウェアが私の頭の上に飛んできた。

「それ着て行くわよ!」

「だから、行きません。足だってマメつぶれて痛いんですから」

「大丈夫。問題ないわ。スキーを堪能して美味しい夕食を食べるのよ!」

食べ物で釣ろうとしてるでしょう?

 マメも見ずに決めつけないで欲しい。

 本当にこの兄妹は。

 地球が自分の周りを回ってると思ってるのだろうか?
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