イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 瑠海が気さくにカフェのおばさんに話かける。

 おばさんも笑顔で慣れた感じで応対してるし、まさかの顔馴染み?

「桃華、ボーッとしてないでこっちにおいで。飲み物は何にする?」

「え?あ、カフェオレをお願いします」

「おばさん、カフェオレ二つお願い。ほら、そんなところに突っ立てると邪魔」

 瑠海に手を引かれ、一番奥の席に座る。

 街を歩く人や大聖堂がよく見える。

「ここは、俺の指定席」

「城を抜け出してよく来てたんですか?」 

「そう、桃華みたいにね」

 瑠海がにっこり微笑む。

 この人には何をやっても敵わない気がする。

 私の考えも行動パターンも読まれてるんだもん。
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