イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「……黙って抜け出したこと怒ってます?」

 私が上目使いに瑠海を見ると、彼は頭を振り私の手を優しく握った。

「怒ってないよ。ただ、俺には知らせて欲しい」

「ごめんなさい」

「ほら、そんな叱られた犬みたいな顔しないの。ケーキが来たよ」

「私は犬じゃありませんよ。もう、こうなったら全種類制覇するんだから」

「どうぞ召し上がれ」

 瑠海がニコニコしながら見ている横で、ただひたすらケーキを食べ続ける。

「う~ん、幸せ」

 至福の時間ですよ。

 ケーキが夕食でも全然平気です。

「その梨のタルト、美味しそうだね?一口ちょうだい」
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