イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「クリーム、口についてた」

 瑠海は悪びれずに言う。

 舐めないで私に教えてくれれば良いのに。

 お陰で私の顔は真っ赤だ。

「桃華、俺が食べさせてあげようか?ルクエに来てからちょっと痩せたし、もっと食べて太らないと抱き心地が……‼痛て!」 

 私は瑠海のお喋りを止めたくて、彼の胸をドンと肘でどついた。

「もう恥ずかしいから止めてください!誰かに聞かれたらどうするんですか?」

「日本語だし、誰もわからないよ。桃華が顔に出さなければね」

 瑠海が悪戯っぽく笑う。

「私をからかって遊ばないで下さいよ!」

「からかってないよ。でも、ずっと沈んだ顔してたから。ケーキ食べてちょっと元気出たみたいで良かった。やっぱり、今夜から部屋一緒にしようか?」
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