イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 瑠海の綺麗な目が私の瞳を覗き込む。

 今度はからかってはいなかった。

 彼の優しい言葉に、私の心が解かされる。

 甘えてもいいんだろうか?

 ひとりでいると、嫌なことばかり考える。

 私はぎゅっと瑠海の袖をつかんだ。

「……一緒にいたい」

「わかった」

 私の目を見て優しく微笑むと、瑠海は私の左手をぎゅっと握った。

 それからは、ふたり手を繋いで一緒にルクエの街を歩いた。

 街の人は瑠海だとわかっていても、普通の対応をしてくれる。

 それは、瑠海と街の人が築いてきた信頼関係だろうか。

 お忍びというより、割りと堂々といろんなとこに出入りしてるよね。

 意外な瑠海の一面。

 ううん、むしろ瑠海らしい。
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