イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 二十七年分の勇気を振り絞って、瑠海に告白する。

 ど、ど、どうだ?

 これで文句ないでしょう?

 瑠海が満面の笑みを浮かべながら私の頭を撫でる。

「よく頑張りました。じゃあ、今度は俺の番かな」

 瑠海が急に真剣な表情で私を見つめる。

「もう離れるな。ひとりで抱え込むな。もっと俺を頼れ」

 何で俺様口調?

 それに、なんかことわざとか格言っぽくない?

 見ざる、言わざる、聞かざる……みたいな。

 でも、次の彼の言葉を聞いて、私は大泣きした。

「桃華を愛してる。プロポーズはまだ早いかもしれないけど、俺のところに安心して嫁いでおいで。楽しさも苦しみもふたりで分けあって一緒に幸せになろう」

「瑠海!」

 胸がいっぱいになって彼に抱きつく。

 この言葉だけで、もうこの断崖絶壁から飛び降りて死んでもいいと思った。

 私はきっと世界一幸せな女だ。
 
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