イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「ご、ごめんなさい。で、で、出直してきます・・・・」

 修の顔もろくに見ずに帰ろうとするが、なぜか彼は腕を離してくれない。

「あの・・手・・・・」

 離して下さいと言おうとしたが、思いもよらない言葉が修の口から出てきた。

「風邪をひく。来い」

 素っ気ない言葉。

 でも、胸がきゅんとした。

 修に腕を引かれて、念願の彼の部屋へ。

 白い家具で統一された明るい部屋。

 リビングのテーブルには読みかけの本が置いてあった。

 大きな本棚には政治・経済から小説まで幅広いジャンルの本が並んでいる。

「・・・まるで小さな本屋さんね」

「電子書籍も最近はあるけど、俺は本は紙で読みたいんだよ。新聞も紙で読む」
 修が自分の事を話すのは珍しい。
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