Black World
「助けてやろっか?」


上から目線で、あの人はそんな言葉を向けて来る。


頼んでないし。


そう思いながら、私は返事をしなかった。


「女は、男に守られてるくらいが可愛いのに」


なんて呆れたように言葉を吐きながら、あの人は助けてくれた。


「お礼なんて、言いませんから」

「お礼言わないなら、交換条件飲んで?俺は友達でもないのに、君を助けた」


でしょうね?アンタみたいな友達、私には居ませんから。


「だから、連絡先教えてよ」


自分の携帯を、あの人は私の前でチラつかせる。


もしかして、目の前の男とさっきの男たちはグルなんじゃないか?


そんな風に、思ってしまった。

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