Black World
変わらぬものたち
少しだけ生きやすくなった世界は、私に踏み出す勇気をくれた。


もう、此処に来ることはないと思った。


此処に来ることなんて、許されないと思ってた。


シャッター通りと化した、とある商店街。


そこの裏口から、私は中へと足を運ぶ。


「絢瀬」


中にいた4人内、3人が驚いた顔をする。


「お帰り、絢瀬」


笑みを浮かべ、風羽が私に抱き付いてくる。


何も、変わってない。


風羽に抱き締められながら、部屋の中を見渡す。


「風羽、邪魔」


菫こと流花(るか)が、私から風羽を引き離す。

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