Black World
さっき投げつけたクッションを拾いながら、千歳は鋭い視線をこちらに向ける。


「理由(わけ)なんて、どうでも良い」


いつもより、低い声で千歳は口にする。


これは、千歳の逆鱗に触れてしまったかもしれない。


「ただ自分で決めたこともロクに出来ねぇで、グダグダ文句ばっか言ってんじゃねぇよ」


そう手にしたクッションを、私に投げつける。


「ッ痛!」


クッションが顔面に直撃し、情けない声が出る。


「地元を離れたい。そう言ったのは、お前だよなぁ?」


、、、はい。


「このマンションも生活費も、親が出してんだよ」


、、、はい。


私は一銭も、お金を出していません。

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