最低王子と恋の渦










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そうして24日。


終業式兼クリスマスイヴ当日。







私と三鷹くんは約束通り、学校帰りに映画館へ向かっていた。


















「敢えてテストの話はしないでおくよ」




「…クリスマスイヴですもんねっ」















三鷹くんは私の成績については愛想尽かせてるようで。



私としてもクリスマスイヴにもなって心の弱いところをえぐられたくはない。





今日くらいは平和に楽しく過ごそう。



ね!























「…てか、やっぱカップル多いなぁ」

















道行く人々の大半がカップルと化しているこの駅前への通り。






人が多いのなんの。









危うく三鷹くんとはぐれそうになる。



























「めんどくさいからはぐれないでよ田中さん」




「わ、分かってるよ。連絡先すら知らないからはぐれたら最後だし」




「……じゃあ連絡先交換しとく?」



















えっ。







そう言った三鷹くんはスッと人ごみから逸れて、道の端の方へ移動した。



パタパタとそれに付いて行くと、三鷹くんは静かに携帯をポケットから取り出す。























「…わ、私別にそういうつもりで言ったんじゃ…」




「は?分かってるよ。なんでもいいから早く携帯出して」




「え、あ…」
























まさか三鷹くんから連絡先交換しようなんて言い出すとは。










私は内心驚きながらポケットから携帯を取り出す。





チラリと携帯を持つ三鷹くんの手を見ると、少しゴツゴツしていて細くて綺麗な形をしていた。







不覚にもちょっとドキッとしてしまう。










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