最低王子と恋の渦
ちなみに竹内さんも5組の芸系。
竹内愛華(タケウチマナカ)ちゃん。
前に友也が竹内さんのことを可愛いって言っていたのを思い出す。
…私が告白した時点で佐々木くんは竹内さんのこと好きだったのかな。
「…別に付き合ってないよ。そっちは付き合ってるみたいだけど」
「ま、まあ」
三鷹くんの言葉に佐々木くんが苦笑いをした。
さっきから佐々木くんが気まずそうにこちらを見てくるのは、きっと彼も振った側として気まずいからだろう。
なんだ今のこの状況。
「へぇ、じゃあ邪魔したら悪いね」
「いやそんなん気にすんなよー」
「うん、まあ特に用もないし俺らは行くよ」
「あはは、いつも通りだな三鷹」
「それ貶してるよね。じゃあ楽しんで」
「おう、そっちもな」
〝そっちも〟
か。
ちょっと悲しいや。
そうして私達は佐々木くん達と別れ、そのまま本屋へ向かい出した。
「……」
「…感じ悪いよあれは」
「うっ…」
三鷹くんの言葉にグサリときた。
…そ、そうだよね。
「一言くらい話せよ」
「ご、ごめん…」
「俺に謝っても仕方ないけどね」
「あはは…」
「……まだ未練あるの?」
ふと、三鷹くんは私を見下ろした。
その表情にいつもの笑顔はない。
…未練…。