最低王子と恋の渦




「いっつも王子に貶されて悲しくないの?」

「構ってもらえて喜んでんじゃねぇよブス」

「王子が本気であんたのこと嫌がってるの分かんないの? 頭腐ってんの?」




どちらかと言えば三鷹くんの方から突っかかってきてるなんて口が裂けても言えない。


ていうかもう怯えて半泣きだし喋ることもできない。




「だからさぁ、もう王子に関わんなよ」

「そーよそーよ」



うわぁ明らかな下っ端っぽい人もいるし、この人達絶対関わらない方がいいじゃん…。


いやもう出来るなら三鷹くんとは一切関わらないから勘弁してください。




「……えっと…」




とりあえずここは承諾しよう、と彼女達を見上げた。



その時。





「いいザマだね」





透き通るような声が頭に響いた。



声の方へ顔を向けると、そこには爽やかに笑ってみせる三鷹くんが立っていた。






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