最低王子と恋の渦
「お、王子!?」
「やば…」
あわあわと焦り出す彼女達を一瞥して、三鷹くんは私のもとへと歩いて来た。
「目つけられて馬鹿みたい」
ニッコリとした笑みを浮かべて、三鷹くんは私のおでこにデコピンをした。
私は「いてて…」とおでこを抑えながら、「それも全部三鷹くんのせいですけどね」と睨む。
そしてまた彼は涼しげに笑うのだ。
「…っ」
じりじりと戸惑いながら私達を見ている女子達。
くるりと三鷹くんが振り返ると、彼女達はビクッと後ずさりした。
「こんな呼び出しするなんて、お前ら低脳だね」
いつもの毒舌より、更に棘がある。
彼女達の顔はどんどん青ざめていく。