最低王子と恋の渦





「そういえば珠妃ちゃんとの大阪どうだったの?」






冬休み入ってすぐ辺りに優太と珠妃ちゃんは例のイベントがある大阪に行ったようで。



無事に二人は帰って来たんだけど、特に優太は何も話さないからちょっと聞いてみた。










「…人多かった」



「まあ、向こうも冬休みだろうからね。楽しかった?」



「…うん」



「ふーん」



「…珠妃ちゃん好きな人いるみたい」



「えっ」



「……」








無表情ながらもしょぼんと落ち込む優太。



…その好きな人は果たして優太なのか、別の子なのか。

分からないけど、優太はどうやらその好きな人が自分以外だと思っているようだ。




まあ優太は自分に全く興味ないからな…。


こんな自分が人に好かれるなんて考えてすらないんだろう。



だからモテてるなんて自覚もない。









「好きな人誰か聞かなかったの?」



「…聞けなかった」



「それはショックで?」








私の問い掛けにゆっくり頷く優太。



相当ショックだったんだな。


ほんとに珠妃ちゃんのこと大好きなんだね。





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