最低王子と恋の渦
「まあそうと決まったらこれから頑張らないと」
「…頑張る?」
首を傾げながら優太のベッドに座っている私を見つめる優太。
「珠妃ちゃんが別の誰かのものになっちゃう前に。優太が頑張らないと」
「…頑張るって何を?」
「分かんないけど…かっこいいとこ見せたり、珠妃ちゃんのこと助けたり?」
「そうすれば好かれる?」
「いやそこまでは知らないけど!優太次第だと思うよ」
「……うん」
俯いて何かを考えてる様子の優太。
彼なりに頑張ればそれでいいとは思う。
珠妃ちゃんが一番良く優太を知ってて、優太も珠妃ちゃんを一番良く知ってるんだ。
私は見守るだけにしとくよ。
「それか告白してみたりね」
「…告白…」
「ま、頑張って!」
私としても優太は珠妃ちゃんとくっ付いて欲しいし。
ていうかそれ以外想像つかないんだよね。
幼馴染も…こんな風に恋したりするのか。
……私はそんな風に考えたこともなかったから…。