最低王子と恋の渦





どうしよう。



まさか、三鷹くんの部屋に入れてもらえるなんて。









嬉しいのか怖いのかよく分からない複雑な気持ちで私は三鷹くんの部屋に入る。


予想通り、三鷹くんの部屋は綺麗で大人っぽくて落ち着いていた。




こんな綺麗な部屋見せられたら、私の部屋なんか三鷹くんに見せられないな。










「はい」










そう言って渡されたのは中学の時の卒アルだった。





…え?


こんなものまで見せてくれるの?

躊躇なく?




卒アルとかって…割と恥ずかしくない?








見る側の私がなんだか恥ずかしい気持ちになりながらそのアルバムを開いた。











「田中さんは立ち読みする派?」



「…へ?」



「座りなよ」










三鷹くんを見ると、彼は机の前の椅子に座ったままベッドの方を指差した。


私は「あ、ありがとう」と言いながらアルバムを開いたままベッドに座る。






…ひょっとして私、今とんでもなく美味しい状況なんじゃない?


三鷹くんファンに知られたらきっと息の根止められる。






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