最低王子と恋の渦
…そういえば。
確か今日、友也に告白もどきをされたんだっけ。
チラリと隣を歩く友也を見る。
…なんか、男前になったなぁ友也。
背もぐんと高くなったし。
成長するもんだね。
「お? どうかした?」
私の視線に気付いたのか、友也は私を見下ろしてきた。
ずっと見つめていたことが恥ずかしくなり、私は「なんでもない!」と言って俯く。
…友也が私を好き…かぁ。
嬉しい…けど、まだそういう風には見れない私がいる。
出来るだけ早く友也の気持ちに応えたい。
こんなに優しい友也を悲しませたくないなぁ。
…だからといって、好きかどうかも分からないのに友也と付き合うのは嫌だ。
そもそも、友也と付き合うっていうのはあまり現実味がないんだよね。
幼馴染ってなんか、ほんとに微妙なラインだよなぁー…。