最低王子と恋の渦
「…美乃ちゃん、心こもってないよー」
と、不意に聞こえた珠妃ちゃんの声にハッとする。
あ、つい…。
「ご、ごめんごめん! えーと、こっからだよね」
慌てて私は絵本に集中する。
お、応援するとか言ったそばから考え事しちゃってたよ…。
私はそんな情けない自分に呆れながら絵本を読み進めた。
――「はーい、ご飯の支度が出来ましたよー」
キッチンの方からおばさんの声が聞こえ、私達は絵本を片付けてテーブルへと移動した。
そこでタイミングよくおじさんも帰って来て、皆揃って夕食を食べることに。