最低王子と恋の渦
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「いやー、やっぱりおばさんの料理は美味しいね」
夕食を済ませてゆっくりしたあと、私は友也宅を後にした。
すると友也は向かいなのに、送ると言って家の外まで出てくれた。
「そりゃ良かったー! またいつでも来いよっ」
「ありがとう」
ニッコリ微笑む友也を見て、私も微笑んだ。
…すると友也は、「あー」と言いながら俯きだす。
ん?
「友也?」
「……俺、今日その…告白みたいなのしちゃったじゃん?」
ドキリと私の心臓は跳ねる。
どう反応すればいいのか戸惑いつつ、私はゆっくりと頷いた。
「…あれ、あんま気にしなくていいよ!」
「へ?」
「いやなんていうか、やっぱ美乃とはいつも通り接したいしさ。
まぁ一応、意識して欲しいって気持ちもあるけど…」
頬を掻きながらそう言う友也は、なんだか新鮮だった。