続♡プリンセス☆ロード
落ち着いた私を、レンはリュウに託し、また出ていってしまった。
私の状態を早く良くするために、動いてくれているんだ。
「大丈夫か?」
「……うん」
「大丈夫じゃ、なさそうだな」
リュウはそう言って私の頭を撫でる。
気を抜けば、溢れてきそうな涙を必死に抑え私は笑った。
「私…ここにいないほうがいいんじゃないかな…」
「なに、言ってんだ…」
「私のせいで、…レン、無理してる」
「そんなこと考えるな」
前以上に、忙しく動き回って、いつも険しい顔をして。
それでも、私には不安にさせないようにやさしい顔を見せる。
あんな風に無理やりキスを迫っても、興奮して手に負えない私を見ても、その優しさは変わらない。
でも、無理させてしまっているんじゃないか。
本当は、もう嫌だと思ってるんじゃないか。
本当は、逃れたいんじゃない?
「私を…どこかに連れ去って」
「どこかって、どこだよ」
「レンのいない場所。誰も、いない場所がいい」
「そんなことして、どうするんだ」
「だって、これ以上ここにいたら、私、いつかレンを…」
そんなこと、耐えられない。
自分の手が、レンを傷つける所なんて…。
「気をしっかり持て!そんな事じゃ、敵の思うつぼだ」
「…っ」
「こんなことするくらいだ。性格のひん曲がった奴だろうぜ。そうやって自棄になってる紗南を見て楽しんでんだろ」
リュウは、見透かしたようにそう言った。
きっと、楽しんでる。
この状況を見て、きっとどこかで笑ってるんだ。
それは、わかってるけど……。