続♡プリンセス☆ロード



「人魔とは、悪魔と人の間に生まれた禁忌の子だというのは知ってるか?」

「うん…、そう、聞いた」

「だから、悪魔にも行けず、人間にも行けず、どっちつかずの存在だ。そんな異端な存在を、悪魔も人間も受け入れようとはしなかった」





自分たちとは違う種族。
受け入れるには、勇気がいる。
はねのけたほうが、楽でいい。




「異種族と交わる、化け物と罵り、蔑み、それはひどい扱いだったらしい。俺もそのころは子どもだったから、詳しい話は知らんが…」

「…ひどい」

「ああ、酷い有様だったと、当時を知る悪魔は言っていた。そのうちに、人魔は姿を消したんだ」

「そう…」

「でも、ここ一年前くらいから、人魔の目撃情報が出てきてる」

「え?」




目撃情報については、初耳だ。
それも、一年前から…。




「でも、人魔を見分けるのは結構難しいんだ。だから、見間違いという可能性もある」

「人魔は、見た目は人間なんだよね?」

「ああ…。違うのは、目の色。だが、目の色など隠すことはできる」

「カラコン、みたいな?」

「カラコン?なんだそれは。目の中にいれ、目の色を変えられるガラスのようなものだ」





やっぱり、カラコンと同じ原理の物がここにもあるんだ。
でも、そうやって目の色を変えることができるなら、本当に人間の中に紛れている可能性もあるんだよね。




「でも、人魔は基本的にそれを隠すことはしないだろうがな」

「え?」



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