続♡プリンセス☆ロード



「いまだに、人間への恨みが消えない者も少なくないんだ」

「え……」

「人間の中にも、そういった者がいることは知っている。その中での小さな争いもいまだに起こっている」

「……ウソ…」

「…知らなかったか?」




そんな話は、聞いていない。
まだ、完全には許しあえていないことは聞いたけど、争いがあることまでは…。





「紗南に心配をかけまいと、黙っていたんだな」

「…言ってほしかった」

「紗南、レンの気持ちも少しは考えてやれ。レンは、レンの考えで黙っていたんだと思うぞ」

「…うん」




レンは、優しいから。
そんな争いがあると聞いて、私が傷つくのが嫌だったんだ。





「どうにか、俺もその憎しみ、恨みを拭い去ろうと働きかけてはいるんだがな…やはり、長年の恨みはそう簡単には消えん」

「…当然だよね」





自分たちが、歩み続けてきた歴史がある。
それが間違っていたからと言って、簡単に変えられるものではない。





「ねぇ、ロイド。ロイドは、人魔について、なにか知っている?」

「…昔は、昔と言っても、レンたちは生まれてもない遠い昔だがな、人魔はひっそりと暮らしていた」

「そうなの…?」




< 133 / 310 >

この作品をシェア

pagetop