続♡プリンセス☆ロード
「ご、ごめん…。片づけるからちょっと待って。どうしたの?」
「…これから、ケーキでも食べないかなって誘いに来たんだけど…」
「ケーキ、いいね。食べる。だから、待ってて」
私は広げていた箱の中身をすべて元に戻し、クローゼットの奥に押し込んだ。
雑に涙を拭い少し深呼吸をすると、振り向いてミナトと向き合いにこっと笑った。
「紗南ちゃん…」
「いこ、ちょうどお腹すいた頃なの」
ミナトの言葉を遮り、無理に明るく務めるとミナトを促して外に出た。
話せばきっと、涙が止まらなくなるから。
思い出に掴れ、抜け出せなくなってしまうから。
「ソウシとか、レンも呼んだ?」
「あ…うん。先にいってると思う」
「そう。じゃあ、急がなきゃね」
私は少し小走りに向かう。
ミナトは少し思いつめた表情をしていたけど、気づかなかったふりをして。
ごめんねミナト。
知らんぷりさせて。
きっと、ミナトの事だから私の事を心配してくれてるんだろう。
そして私がなんで泣いていたか、理由もきっと推測してるだろう。
でも、今それを言わないでいてくれるのは、ミナトもそれを言ってしまってはいけないと思うからだよね。
だから、私はそれに甘えることにする。
「あ、いたいた!」
中庭で二人の姿を見つけ手を振ると、二人もこちらに気づき手を振りかえしてくれる。