続♡プリンセス☆ロード
「村の人たちを一度城に。休ませてやれ」
「はっ」
一番隊のミナト以外の人たちが村の人たちを連れていく。
城で少しでも穏やかに過ごして気持ちを落ち着かせてほしい。
そして、前を向いて生きてほしい。
復讐に生きるのって、辛いよ。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ…大丈夫だ。問題ないよ」
残った私たちは、襲われていた悪魔の対応に移った。
反撃もしないで交わすばかりだった彼らは体中傷だらけだった。
人型の悪魔が4人ほど。
一人は、下ろしたらきっと肩くらいはあるだろう髪を後ろで一つにくくり、前髪も長くセンターで分けた年配の男の悪魔。
とても優しそうな風貌で、落ち着いている。
でも、その悪魔は片方の羽が途中でなくなっていた。
それは、今のケガとかではなくおそらく昔負ったケガとかなのだろう。
後の3人は彼よりも少し若い男衆だった。
「君は、王妃さまかい?」
「え、あ、はい…。初めまして。紗南です」
「どうも。かわいらしいお嬢さんだ。こんなところに、王妃さま自ら来るなんて、驚いたよ」
「あ…。すいません、私じっとしていられない性質で…」
彼は穏やかに笑っている。
なんか、すごく優しい雰囲気が伝わってくる。
「私は、ウィルというんだ。このあたりに住んでいるんだよ」
「そうなんですか」
ロイドが、皆がみんな城に住んでいるわけじゃないといっていた。
その中の一人なんだろう。