続♡プリンセス☆ロード



「俺たちは、反対したんすよ。人間の子どもなんて…。ほら、当時は人間への恨みだってありましたから」

「育てたところで、いつか俺たちを襲う敵になるからってな」

「でも…、ウィルさんは笑っていうんすよ。たとえそうだとしても、こんな子どもを見殺しになんてできないだろうって…」




きっと、ウィルさんが助けていなければ、今ミナトはここにいなかったはず。
その未来が、わかっていたからこそウィルさんはミナトを助けてくれたのかな。



「ウィルさん、子育てなんかしたことねぇのによ。その上人間の子どもなんて…。最初は悲惨だったな。あやし方もわからないから、ひたすら空を飛びまわったり」





…なんか、想像したら笑えるかも。
必死だったんだろうな。




「 ほらミナト、笑って! 」
「 ああ!ウィルさん!ミナトが!! 」
「 うぎゃああああああ 」
「 どうして泣き止まないんだい、ああ!!どうしたらいいんだ…! 」





ジルとエリックが、何かを思い出すように空を見上げる。




「 ミナト、愛しているよ 」
「 あ!ウィルさん!ミナトがたったっす! 」
「 おおー!すげぇぞ!ミナト!頑張れよ! 」





「いつしか俺たちも、ミナトとの生活を楽しんでたんすよ」

「…そう」

「でも…、あの時は来たんす」




別れの時が。




< 193 / 310 >

この作品をシェア

pagetop