続♡プリンセス☆ロード


「紗南さま!」



中庭にでも行こうかと、階段を下りていると呼び止められた。
その声の主を階段の途中で待っていると、一番隊の中の一人であるシオンくん。
茶髪の、頭の右側を刈り上げ、反対側に髪を流してセットしていて、少し釣り目できりっとした男の子。



「えと、シオンくん…。どうしたの?」

「どうしたの、じゃありませんよ!まだおひとりで歩かれるのは危険です。俺が、護衛を…」

「ああ、ミナトに頼まれたのね」




ミナトはウィルさんのところに行っているから、代わりにシオンくんを寄越したのね。
しっかりしてるんだから。



「退屈して外に出たくなってくる頃合いだからと、でも、もう紗南さまはいなくて…」

「ごめんね。そんな事知らなくって」

「いえ。これからお供してもよろしいですか?」

「うん。お願いします」




シオンくんは、やんちゃで運動神経がよくて、でも礼儀正しい。
はきはきしていて、とても好印象な男の子だ。
やんちゃだけど、ミナトみたいに弟タイプじゃない。
男らしさも、しっかり兼ね合わせている。
って、それじゃあミナトはって話になるけど、もちろんミナトだって立派な男の子だけどね。





「どこに行くんですか?」

「うーん、考えてないんだけど…、中庭に行こうかなって」

「中庭、紗南さまお好きですよね」

「うん、あそこが一番落ち着くの」




< 205 / 310 >

この作品をシェア

pagetop