続♡プリンセス☆ロード
「紗南さま!」
中庭にでも行こうかと、階段を下りていると呼び止められた。
その声の主を階段の途中で待っていると、一番隊の中の一人であるシオンくん。
茶髪の、頭の右側を刈り上げ、反対側に髪を流してセットしていて、少し釣り目できりっとした男の子。
「えと、シオンくん…。どうしたの?」
「どうしたの、じゃありませんよ!まだおひとりで歩かれるのは危険です。俺が、護衛を…」
「ああ、ミナトに頼まれたのね」
ミナトはウィルさんのところに行っているから、代わりにシオンくんを寄越したのね。
しっかりしてるんだから。
「退屈して外に出たくなってくる頃合いだからと、でも、もう紗南さまはいなくて…」
「ごめんね。そんな事知らなくって」
「いえ。これからお供してもよろしいですか?」
「うん。お願いします」
シオンくんは、やんちゃで運動神経がよくて、でも礼儀正しい。
はきはきしていて、とても好印象な男の子だ。
やんちゃだけど、ミナトみたいに弟タイプじゃない。
男らしさも、しっかり兼ね合わせている。
って、それじゃあミナトはって話になるけど、もちろんミナトだって立派な男の子だけどね。
「どこに行くんですか?」
「うーん、考えてないんだけど…、中庭に行こうかなって」
「中庭、紗南さまお好きですよね」
「うん、あそこが一番落ち着くの」