続♡プリンセス☆ロード


花に囲まれて、穏やかに時が流れて。
あそこにいるときは、皆とても笑顔で。
いい思い出しかない場所だから。


「俺、花の手入れとか好きなんですよ」

「え?シオンくんが?」



意外だ。
そう言ったら、失礼だろうか。




「意外でしょ?だから、時々庭師に頼んで一緒にさせてもらっているんです」

「そうなんだ。じゃあ、ここにはシオンくんが手入れした花もあるのね」





中庭について、見渡す。
花たちはイキイキと空に向かって咲いている。


私は、その中のピンク色の花が咲いている場所に向かう。
淡いピンク色をしたその花は、とても可愛らしく風に揺れている。




「いつか、俺、この庭にもっとたくさんの花を咲かせたいんです」

「もっと?」

「ええ。中庭だけじゃなくて、もっとあっちの方まで…。花に囲まれた城。素敵じゃないっすか?」




シオンくんはキラキラとした瞳を輝かせて言った。
花が本当に好きなことが伝わる。
でも、そんな城が実現したら、本当に素敵だと思う。




「楽しみにしてるね」

「…はい!」




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