続♡プリンセス☆ロード



「でも、ユキちゃんどうしてここに…?」




使用人であるユキちゃんはレンや私の部屋があるこの階には滅多なことがない限り来ることは許されていない。
ここには、王と王妃付の一握りの人間しか立ち入れない決まりになっている。
それにはいろいろな理由があるみたいなんだけど、それなのに、どうして?


今回の件に深く関係しているからだろうか?
それならば、きっと付き添いがいてもおかしくはないのだけど、部屋の中にはユキちゃんだけだ。
その状況も、いろいろな仕組みがわかってきた今は、不思議に思える。





「…王様が、直々にお見えになったのです」

「王様が?」



レンが、ということ。
レンが、使用人であるユキちゃんを訪ねたの?
まぁでも、ケガの原因を知っているユキちゃんに会いに行ってもおかしくはないのだけど。
家来を使わず自ら尋ねるところが、レンらしいというか。




「王様は、私なんかに深く頭を下げられました。すまなかった、と」

「え?」







―どうせ、紗南の事だ。断るお前を強引に説き伏せたんだろう。それは、良かれとしてしたことに違いはないが、ユキには恐ろしい思いをさせてしまった。俺からも詫びさせてくれ





そう言って、深く頭を下げたんだそうだ。
私の知らないところで、そんなことを…。




「とても、王妃さまの事を理解され、王妃さまを思っていらっしゃることがわかりました。今も、王様の心遣いで私のようなものが、恐れ多くも王妃さまの自室に来させていただいたのです」

「そうなの…」




レンは、私がどうしてランプを替えようとしていたのか、ちゃんとわかってたんだね。
それが、ユキちゃんのせいじゃなくて、私がしたくてしようとしていたことも。




< 32 / 310 >

この作品をシェア

pagetop