晴れ時々@先生の妹【第2巻】
「テスト始め!」の先生の声と共に鉛筆がカツカツと鳴る音が響く。
机の周りをうろうろと歩きながら生徒達の様子を見ている中村先生、二戸 梨杏のいる席で立ち止まり腰を低くして体を屈め他の生徒に気づかれないように二戸 梨杏の耳元で話をし始める。
「4時間目が終わったら――、屋上に来い」
「えっ!?」
「すぐに来いよ、待たせたら、俺怒るからな――!」
小テスト中。
――中村先生、耳元で話されるとくすぐったいよ。
煙そうな顔をしている二戸 梨杏。
私、きっと、怒られるんだね。
覚悟している、いっつも、怒られるような事ばかり、私してるからね。
生徒指導室じゃなくて――。
今日は、屋上なんだ。