晴れ時々@先生の妹【第2巻】




――昼休み――




思いっきり勢をいつけて廊下に飛び出る二戸 梨杏。





何人かの友達に「ねぇ、そんなに急いでどこに行くの?」って呼び止められたけれど、無視無視――。







中村先生のいる屋上へ続く階段を目指して息を切らせて走り続ける、テンポ良くトントントーンと階段を上る。






屋上の重い鉄の扉のドアノブをギュッと握りしめ、目一杯力を入れて開ける。





青い空に、薄い白色の雲がゆっくりと流れている。





風が少しきつく吹き、二戸 梨杏の長い髪をフワリと揺らす。






先生、私、ちゃんと来たよ――。






木製の二人がけのベンチに足を開いて座り頭の後ろで手を組んで空を眺めている白衣姿の中村先生が見えた。





――中村先生の姿を見つけとたん、極度の緊張からかなのか私の胸の鼓動が激しく打ち始めるものを感じた。




頭のてっぺんまで、ドキンドキンと脈打つ振動が伝わる。


< 14 / 234 >

この作品をシェア

pagetop