花火
「花火…お前本気か?」
「全部本当よ。」
「お前…」
「流星だって!知ってるわよ」
「チッ…くっそ…」
仁が私を殴った。
「いっ……」
「お前…海斗と同じだな」
「え……」
「お前なんか…もう…未練もなんもねぇよ」
「そ、そう……」
「じゃあな。花火。」
仁は静かに部屋をでた。
「花火……大丈夫か」
「ぐすん……んっ…」
泣き崩れた私をごうくんが抱きしめた。
「ごめんな。守ってやれなくて」
「んーん…ごうくん…ありがと」
「花火を置いて家をでなくてよかった」
「ごうくん…大丈夫?」
「花火が助けてくれたから」
「ごうくん…ごめんね」
「次はちゃんと守るよ」
このことがなかったみたいに次の日いつもどおりの朝だった。
けどいつも違うのは寝る前も起きてからとおでこをなでてくれてたこと。
「おあよ…」
「おはよ。」
「ずっと?」
「ん?」
「ずっとおきてたの?」
「だって花火が泣くんだもん」
「え?」
「寝ながら泣いてるんだもん」
「ごめんね」
「んーん、花火、俺はお前幸せにするからな。」
「ごうくん…」
冬休みが明け、学校が始まり、ごうくんも仕事が始まり、2人おっとりした時間はすぎた。
始業式が終わり、渡り廊下で外をぼーっと眺めていると流星がきた。
「おい、まてよ」
「なんかよう?」
「言うなって言われてたんだけどさ、仁さん…事故って入院してっぞ」
「え?」
「お前、仁さんに話したんだとな。お前のせいで殴られたよ。ちくんなよ」
「あ、ごめん。」
「仁さん、お前と別れて女漁りすごかったけど、どれも半日ももたねーわ、どれともやれなかったんだとよ。」
「あーそ、仁も落ちたわね」
「お前じゃなきゃってやつじゃねーの」
「私はごうくんしかみれない」
「お前いつまでむきになってんの」
「仁、ごうくんのこと殺そうとしたのよ。私のこと大切にしてくれるの。仁よりも。私が優先なの。」
「本気かよ」
「あんたも若菜なんとかしなさいよ」
「あ?」
「仁に私はもう決めたからっていっといて」
私はタバコの日をけし、教室にかえった。
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