シンデレラは硝子の靴を

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自転車を漕ぐには、そろそろマフラーが必要になる頃。





「おはようございます!秋元様!」




感極まった様子で中村が玄関に飛び出してきた。





「ご無沙汰しています。中村さん。」



相変わらずなオーバーっぷりに、沙耶は苦笑しつつ、ぺこりと頭を下げた。



「この度は、本当にお辛かったでしょう!私共もお聞きした瞬間から心配で心配で…」



中村がよよよとべそをかいている傍から、わらわらわらとメイド達が出てきて沙耶を囲む。



「大丈夫ですか?」


「肩お貸ししましょうか?」


「車椅子お持ちしましょうか?」



「わわわ…いえ、だいじょ、、はい…その、、」



最終的には執事の佐武さんまでもが出てきて、労わりの言葉を掛ける始末。




「あ、の、えっと…大丈夫ですから!ご心配なく!」



そんな取り巻きの隙間を縫って、なんとか屋敷の中に入り込む。


ちらりと振り返ると、メイド達は沙耶が輪の中に居ないことにすら気付いておらず、ひたすら中央へ向かって口々声を掛けている。



「時間、ないから。ごめんなさいねー」



小さな声でそう呟くと、沙耶は、駆け足で階段を上った。




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