シンデレラは硝子の靴を


「てっきり、ミュアンホテルかと、、思っていたので・・・」




不思議そうな顔をしている坂月に、沙耶は決まり悪そうに呟く。




「そうでしたか。でもあながち間違いではありません。ここは、ミュアンホテルを経営しているグループの本社です。」



坂月は安心させるようににこりと微笑みかけるけれど。





―全っ然、効き目ないんですけど!むしろ不安が煽られたんですけど!



ただのアルバイトの沙耶がした一度の過ちが、こんなばかでかい会社で説教されなければならない程の重罪だというのか。



―なんつー暇な会社なのよ。



そして、もう一つ不思議なのが、ボーイ坂月の役柄。



ホテルのボーイが、こんな仕事をするだろうか。





「さ、中へどうぞ。まだ、早い時間帯なので、ほとんど社員は居ませんが、社長はいらっしゃるので―」



「え!?」



坂月の勧めるまま、警備員が両端に立つゲートをくぐり、円柱型になっている自動ドアを抜けた所で沙耶は立ち止まった。


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