浮気彼氏から奪うオトコ。
「かっこよくなんかないよ…って!」
俺が言いかけているときに、彼女は家の中に入っていた。
それから、親の遺影写真を見つけると眺めていた。
「両親がこんなにも優しくて、カッコいいし…。
お母様も美人さんだから、蒼斗は美形なんだぁ…」
くるくる表情を変える彼女に、つい見とれてしまう。
地毛なのか、染めているのか分からないけど、栗色の髪はとても綺麗に見えた。
夜道で遊んでいるオンナよりもずっと―…。
「髪…長くて綺麗だね」
素直に言うと、彼女は優しく微笑んでくれた。
「ありがとう。これね、腰まで髪はあるけど、そろそろ切りたいのよ」
「えぇ?勿体無いよ」
「うぅーん…じゃあ切らないでおこうかな?蒼斗が言うんだし」
「初対面の人に言われたのに?」
「初対面?そんなの関係ないじゃん!蒼斗と私はもう仲良しだもん!」