龍乃一味のカオスな学園生活
食卓には、味噌汁、焼き魚、漬物、海苔、納豆と、純和風の朝食が並ぶ。

母の小夜も、実家の祖父が古武術の道場を営んでいた事もあってか和食党だった。

加えて龍太郎も龍乃も、パンより白米派。

自然と和食になってくる。

「父ちゃん、アタイの洗濯物に父ちゃんの下着混ざってた?」

座るなり箸を手に取って食べ始める龍乃。

「こら龍乃ちゃん、いただきますはっ?」

小夜が軽く窘める。

慌てて娘が両手を合わせるのを見ながら。

「あぁ?知らねぇな。俺んとこにゃお前の苺柄はなかったぜ?」

納豆を白飯にかけて、豪快にかっ込む龍太郎。

こちらもいただきますの挨拶はない。

「パンツもいいけど龍乃、お前ブラいらねぇんじゃねぇのか?昔の小夜に似て洗濯板だからな、お前」

デリカシーの欠片もない父に。

「うるさいな父ちゃん!母ちゃんに似たら、成人する頃にはナイスバディになんだよっ!アタイは大器晩成型なんだよっ!」

飯粒を散らしながら、龍乃はまくし立てた。

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