龍乃一味のカオスな学園生活
用務員として校内の清掃や花壇の手入れ、備品の修理などを引き受けてくれている小岩井の息子が、美化委員として活躍するようになるとは。

奇妙な縁を感じる。

「その小岩井さんだけどさあ」

龍乃が質問する。

「今まで何で、冬樹っちみたいな息子がいるの黙ってたん?」

「……」

またも答えない冬樹。

これはボーッとしているというより、答えづらいようだ。

「…父も母も…非常に奥手な性格ですので…僕が生まれるまでにとても不器用なやり取りがありまして…紆余曲折を経て僕が生まれまして…」

「紆余曲折って何があったん?」

「た、龍乃さん…そこは気を遣って訊かないであげようよ…」

ズゲズゲツッコむ龍乃を、ノエルが窘める。

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