龍乃一味のカオスな学園生活
今度こそ始動
龍乃に、明日まで考えてみてよ、と言われた翌日。

「兄さん兄さん」

登校中、セレナはノエルの制服の袖を引っ張る。

「どうするんですか?龍乃さんの話」

「んー…」

真っ直ぐ向いたまま、ノエルは考える。

自分は、武道家だと思っている。

龍娘流中国拳法開祖、早川 龍娘のような、その娘である究極超人の鬼龍のような、老師の下で切磋琢磨してきた父の拓斗や、その兄弟子の龍太郎のような。

数々の先人達のような偉大な武道家、拳法家になる事が目標。

その為には、一分一秒も疎かにはできない。

だが…その偉大な武道家には、何の為になるのだ?

隣に立つセレナを見る。

困っている者を見過ごせないという、父譲りの正義感から来るものではなかったか?

「僕が断ったら…龍乃さん困るかな…」

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