龍乃一味のカオスな学園生活
だがそのような事など、ほんの笑い話。

地獄は漆黒の夜の帳と共にやって来る。

琥珀がその夜持ち帰るのは、甘美と誘惑の毒。

凡そ段ボール七箱分の褐色の悪魔。

それを見る度、刹那は込み上げる胸やけと嘔吐感に苛まれる。

いや、最初は違った。

琥珀お嬢様はモテモテだな、愛される、誰からも愛される才女なのだなと尊敬の念すら覚えた。

しかし、それが二年続き、三年続き、毎年のように一ヶ月近く掛けて、毎日のようにチョコレートが三時のおやつに饗されるとなるとどうか。

その心情を吐露しよう。

「俺はチョコレートなぞ食い飽きたっっっ!もう懲り懲りなのだっっっ!」

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