続・迷惑なイケメンに好かれました。
穏やかで、落ち着いた。
でも、冷ややかな声が聞こえて、男たちの動きを止めた。
私の肩を掴む力が緩んだので、それを思いきり払う。
……昔だったら怖くてこのまま逃げただろうけど、今の私に怖いものなんてない。
海を手放したあの日味わった絶望に比べたら、こんなの何ともない。
「ねえ、何してるのって聞いてるんだけど」
「いや、その……っ」
「女の子を路地裏にでも連れ込んで暴行するつもり?……バレたら、君らの人生どうなるんだろうね」
淡々と。だけど確実に、正論を述べて男たちを追い詰めていく。
……助かった。
そう思って助けてくれた男に目を向けた瞬間、息を呑んだ。