続・迷惑なイケメンに好かれました。
彼女が誰だか、何も知らない風を装って質問する。
明らかに顔色が悪くなった彼女の横で、市原くんが私に冷ややかな視線を送ってくる。
やめてよ。
そんな悪者を見るみたいな視線は。
私はただ、海にーー。
「あ、いた!ったく、何で置いて行くんだよ〜!」
聞こえた声に、心臓が音をたてた。
……こうやって声を聞いたのは、いつぶりだろう。
"また明日" そう嘘をついて、私はあなたの前から消えた。
私が人生で初めて愛した人。
……やっと会えた。
ふっと笑みを浮かべて、私は愛しい声がした方へ視線を向けた。