続・迷惑なイケメンに好かれました。



彼女が誰だか、何も知らない風を装って質問する。

明らかに顔色が悪くなった彼女の横で、市原くんが私に冷ややかな視線を送ってくる。


やめてよ。

そんな悪者を見るみたいな視線は。



私はただ、海にーー。





「あ、いた!ったく、何で置いて行くんだよ〜!」





聞こえた声に、心臓が音をたてた。

……こうやって声を聞いたのは、いつぶりだろう。


"また明日" そう嘘をついて、私はあなたの前から消えた。


私が人生で初めて愛した人。

……やっと会えた。



ふっと笑みを浮かべて、私は愛しい声がした方へ視線を向けた。






< 50 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop