強がりウサギの不器用な恋
私が社長の恋人じゃないことは、ちゃんとわかってる。
社長が私のことを何とも思ってないことも、十分わかりすぎるほどわかってる。
だけど、このどうしようもない胸が締め付けられる苦しい感情は紛れもなく………
――― 嫉妬 ―――
「社長は、この人が好きなんですね!」
その“嫉妬”という名の厄介な感情にまかせて、ついそんなことを口走ってしまった。
言ってから、すごく後悔した。
だって社長は、「そんなんじゃない」って否定しなかったから。