強がりウサギの不器用な恋
私は観念するように、小さく不満色の溜め息を吐く。
「何だよ。そんなに飛向と行くのが嫌なのか?」
「そうですよ! だからさっきからそう言ってるじゃないですか。」
「…宮田………頼むよ…」
ツンデレか。アメと鞭か。……卑怯者め。
最後はこうやって私が折れることになるのかと思うと、ますます苛々がつのる。
「俺じゃなくて、真吾と二人なら喜んで行ったのにな。残念だったな。」
いつからそこに居たのか………
声がするほうに目をやると、入り口の扉に背を預け、海藤さんが腕組みをして立っていた。