強がりウサギの不器用な恋
少し長めの、ワイルドな黒髪。
今日もジーンズにシャツを合わせただけの、ラフな格好。
腕まくりをしたシャツから、真っ黒に日焼けした腕が覗いている。
顎には多少の無精髭。
一応ここの社員なんだから、髭は剃るようにこの前言っておいたのに……。
全く、ワイルドなのにも程がある。
「飛向……居たならすぐに声かけろよ。」
社長が冗談めかしてそう言うと、意味ありげにニヤっと笑う海藤さん。
やっぱり私………この男は苦手だ。
だって、何もかも見透かすようなあの目!
「俺がそんなに嫌われてるとはショックだな。
ま、真吾ほど好かれてるとも思ってなかったが。」
ほら、こうやって人の心を弄ぶように揺さぶりをかけるところとか。最悪。