強がりウサギの不器用な恋

少し長めの、ワイルドな黒髪。
今日もジーンズにシャツを合わせただけの、ラフな格好。

腕まくりをしたシャツから、真っ黒に日焼けした腕が覗いている。


顎には多少の無精髭。
一応ここの社員なんだから、髭は剃るようにこの前言っておいたのに……。

全く、ワイルドなのにも程がある。



「飛向……居たならすぐに声かけろよ。」


社長が冗談めかしてそう言うと、意味ありげにニヤっと笑う海藤さん。


やっぱり私………この男は苦手だ。
だって、何もかも見透かすようなあの目!


「俺がそんなに嫌われてるとはショックだな。
ま、真吾ほど好かれてるとも思ってなかったが。」


ほら、こうやって人の心を弄ぶように揺さぶりをかけるところとか。最悪。


< 13 / 404 >

この作品をシェア

pagetop