強がりウサギの不器用な恋
その次の日、大学で講義を終えた私を捕まえて、
『シュトラール……ってどうだろう?』と、突然言われたのを今でも覚えている。
シュトラール………Strahl
響きが気に入ったというその言葉は、ドイツ語だそうだ。
「光線」「太陽や星の光」という意味の単語。
……なんともまぁ。
まるで自分が太陽みたいな男だと自覚しているかのような選択。
小さく産声を上げた会社に、素敵な名前がついた瞬間だった。
なんだか懐かしい。
あの頃を思い出すと、心がほんのり温かくなる。