強がりウサギの不器用な恋
「大学で後輩だった頃からか?
……ま、そりゃそうか。そうじゃなきゃ、真吾を追いかけて一緒に仕事までしないわな。」
「言っときますけど、追いかけてませんから!
私はちゃんとした大手の会社の就職試験を受けるつもりだったんです。だけど社長が………」
言ったことは事実だけれど。
なんだか必死で人のせいにしているみたいな感じが嫌で、途中で言葉を引っ込めた。
追いかけたわけではないが、社長の傍にいると決めたのは自分自身だから。
「ほう、最初に捕まえにかかったのは真吾のほうだったのか。
で、操はそのうち骨抜きにされて、真吾から逃げられなくなった、と。」
グビグビと喉を鳴らしてビールを飲み、海藤さんが面白そうにニヤリと笑う。
「あの人から、逃げられる人なんているんですかね……」