強がりウサギの不器用な恋

クスクスと笑う海藤さんを視界に入れながらもサクっと無視し、いつものように現地のホテルと航空券をネットで予約するとしよう。


「それじゃ宮田、少しずつ飛向に仕入れのこと教えといて?」

「………わかりました。」


椅子から立ち上がりながら社長はそう言うと、ふらっと部屋を出て行く。

いつも行き先など私に告げることはないが、大方わかっている。
道路を挟んだ向かい側にある、ボランティア事務所で間違いない。



「では………始めますか。」

「ここで? やらしーなぁ。」

「何の話ですか! 始めるのは仕入れに関する勉強に決まってるでしょ!」


変態め! セクハラで訴えてやる!!


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